財閥の創始者としてなお、一汁一菜の生活を続けた安田善次郎。その根底には、「おごった瞬間に、困窮の底に落ちていく」という恐怖感がある。自身の失敗から学んだ教訓──。そこには「復活の道」も描かれていた。

安田善次郎(やすだ・ぜんじろう)1838年富山生まれ。農業や行商を経て江戸に上り、奉公人から両替商を興し、安田銀行(現みずほフィナンシャルグループ)など大金融グループを築く。(写真=共同通信)

 おごった人は、必ず落ちていく──。

 そんな「真理」を、循環図として描き残した企業人がいる。

 安田善次郎。安田財閥の創始者で、「銀行王」とも呼ばれる彼が残した企業群の歴史は、現在のみずほフィナンシャルグループや明治安田生命保険、東京建物へとつながっている。