日本軍の敗北は、成功体験にしがみつく「学習しない組織」の末路だった。その一方で、敵側のアメリカは何をしていたのか。日本軍の強さを学び、米軍の失敗を反省する「革新組織」が進化を続けていた。

野中郁次郎(のなか・いくじろう)1935年生まれ。早大政経学部卒、富士電機製造勤務、カリフォルニア大学経営大学院で博士号取得。防衛大学校教授などを経て一橋大学名誉教授。(写真=村田 和聡)

 失敗から学び続ける者が勝つ──。

 経営学の権威、一橋大学名誉教授の野中郁次郎は、競争の本質をそう喝破する。それは、企業経営から軍隊まで、あらゆる組織において当てはまる基本原則だと言う。

 『失敗の本質』

 1984年に出版された名著は、太平洋戦争における日本軍の敗因を「組織論」として分析している。30年以上にわたるロングセラーで、累計は80万部を超える。読み継がれる理由は、そこに今でも続く日本型組織の欠点が隠されているからだ。