日本でもグループ経営に対する価値観は変わりつつある。子会社を縛るスタイルはもう古い。グループを成長させるにはどうすればいいか。人・組織・カネ、3つの分野での「解放」がカギになる。

リクルートグループのプレゼンテーションイベント「フォーラム」。約2000人のグループ従業員が見守った

 7月中旬、東京国際フォーラムの大ホール。ここをリクルートホールディングスが貸し切り、「フォーラム」と呼ばれる1日がかりのプレゼンテーション大会を行っていた。

 会場の約1400人とテレビ中継を見守る約600人、計2000人の聴衆を前に英知を披露するのは、選ばれし10組。さながら、ビジネスの講演イベントで有名になった「TED」のよう。皆、威風堂々とし、自信がみなぎっている。

 「壇上に立つと社内で有名人になる。リクルートでは『仕事の報酬は仕事』。彼ら彼女らには、よりでかいチャンスが回ってくる。だから、共有が進む。グループをつなぐのに非常に役立っている」。フォーラムを主催するリクルート経営コンピタンス研究所室長の巻口隆憲氏はこう言う。

 グループの従業員数が3万8000人以上まで肥大化したリクルートホールディングス。フォーラムは、その巨大組織をつなげる大きな役割を担う。

 2012年10月、リクルートは持ち株会社に移行し、本体を「社員募集」「アルバイト・パートの採用」「日常消費」「住宅」「結婚・進学・自動車」の5つの事業会社に分割した。ただ、持ち株会社にぶら下がるのはこれにとどまらない。

 グループの連結対象子会社は287社(今年3月時点)。人材募集・派遣領域だけで210社もある。海外でも積極的なM&A(合併・買収)に打って出ており、売上高に占める海外比率は約36%まで増加した。

 ただし、リクルート流のグループ経営の大きな特徴は、これら「事業」の統廃合やブランドの統一をしないこと。子会社の中身に手を突っ込み、「事業をいじる」ようなことはしない。

 では何がグループをつないでいるのか。それは「人材」であり、シナジーを生むのは「ノウハウ」である。