「モノが売れない時代」といわれる。本当にそうだろうか。消費者の心理が分かれば違う答えが見えてくる。「顧客視点」「消費の多様化」。企業が繰り返してきた言葉が逆に変化を阻んでいたのかもしれない。

(写真=竹井 俊晴)

 東京・原宿の中心地から少し離れた住宅街。アパレルショップや飲食店が多くはないこの場所に、毎週土曜、行列のできる店がある。「なんで並んでいるんですか?」。正午の開店時間を待っている客にこう声を掛けると、一様に同じ答えが返ってきた。「白いTシャツを買いに来ました」──。

 それもそのはず。この店が扱っているのは「白い、無地の、半そでTシャツ」だけだからだ。「誰よりも“白T”が好き」という夏目拓也・華夫妻と友人が昨年4月に開いた白いTシャツ専門店「#FFFFFFT(シロティ)」は、SNS(交流サイト)などを通じて訪日外国人客にも知られ、土曜しか営業しないのに幅広い客層を引き付けている。

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この記事はシリーズ「特集 もう迷わせない! 消費多様化の終わり」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。