Raiseでの議論を踏まえ、PART2ではイノベーションの阻害要因を見てきた。既に気づき、手を打ち、イノベーションの再活性化に挑む日本企業も出始めている。停滞感が漂う日本の企業社会=“ニッポン株式会社”は変われるか。

レガシー を 生かせ

 日本のイノベーションが停滞していると感じる要因として、過去から蓄積されてきた資産=レガシーの存在を指摘する声は多い。特に、やり玉に挙げられるのが大企業だ。法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の米倉誠一郎教授は、「レガシーを抱える大企業が変わらないのがイノベーション停滞の一因」と指摘する。

 だが、大企業を軸に動いてきた“ニッポン株式会社”が持て余すレガシーを、商機に変えるスタートアップもある。その一社が5月に東証マザーズに上場したラクスルだ。上場初日の株価(終値ベース)は公開価格を33%上回り、550億円の時価総額を付けた。

「負の遺産」に価値あり
業界の外から新風
ラクスルの松本恭攝社長が狙うのは「仕組みを変える」ビジネス。まずは印刷業界のレガシーを活用して新たな仕組みを構築した(写真=北山 宏一)

 ラクスルが目を付けたレガシーは何か。印刷工場である。