富士フイルムホールディングスの総帥、古森重隆が最後の大勝負に打って出た。見据えるのは、医薬業界の秩序を根底から覆すiPS 細胞。100兆円市場の覇権を握るためなら、ノーベル賞学者とも別の道を行く。次々と新たな事業を創出し、本業喪失の苦境から復活した富士フイルムは、競合ひしめく医薬・医療業界で新たな本業を「培養」できるか。先駆者の新たな挑戦は、日本企業にとって指針となる。
=敬称略(小笠原 啓、林 英樹)
CONTENTS
PART.1
京大を抜き去り 狙う100兆円市場
iPS創薬の覇権を握れ
PART.2
革新生み出す フィルム進化論
異分野攻略の決め手
PART.3
古森が去っても 大丈夫なのか
中嶋社長が見せた意地
PART.4 INTERVIEW
古森 重隆 富士フイルムホールディングス 代表取締役会長兼CEO
次の次まで読む 6割の勝算で十分