投資家から政府までが相談役を一斉に批判。廃止企業も相次ぐ。ただし役割や待遇は企業によって千差万別だ。冷静な評価と議論が欠かせない。

相談役への風当たりが厳しくなっている
●武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長と、会長を退き相談役に就任した長谷川閑史氏
武田薬品工業のウェバー社長(左)は長谷川氏の相談役就任の妥当性を強調(写真=共同通信)

 「みなさまのご懸念を払拭・低減させていただくべく、長谷川(閑史)氏の相談役としての役割等につき、私から、以下の通りご説明申し上げます」

 6月上旬、武田薬品工業の株主の手元に1通の手紙が届いた。差出人はクリストフ・ウェバー社長。長谷川氏とは6月28日の定時株主総会後に退任することが決まっていた長谷川会長のことだ。同氏が株主総会での承認を得た上で相談役に就くことについて、社長自らが異例の手紙をしたためたのだ。

 いわゆる「院政」への懸念がないこと、財界活動の任期満了まで武田としての身分を与える目的であること。ウェバー社長は、長谷川氏が相談役になっても、経営判断や意思決定に影響力を持たないと強調した上で、年間報酬額が会長職の12%(推定約4900万円)程度となり、社用車も専任秘書も置かないことを明記した。