百貨店業界の盟主、三越伊勢丹HDで今年3月に突然起きたトップ交代劇。事実上解任された大西洋・前社長がインタビューで語ったのは、組織マネジメントに対する深い反省だ。百貨店事業を改革しようと、現場を鼓舞してきたが、役員や幹部との亀裂は修復不可能なまでに広がった。老舗の再生を目指したトップは、なぜつまずいたのか。経営者に残した教訓は少なくないはずだ。

大西 洋氏
三越伊勢丹HD・前社長
1955年生まれ、79年慶応義塾大学商学部卒、伊勢丹入社。「伊勢丹メンズ館」の立ち上げを成功させた。経営企画部や立川店店長を経て、2009年社長に就任。12年、持ち株会社社長も兼務。(写真=的野 弘路)

 問 6月21日の株主総会で三越伊勢丹ホールディングス(HD)を去ることになりました。3月4日、石塚邦雄会長(当時)に辞任を迫られ、その日に自ら決断しました。理由は何ですか。

 答 直接の理由は、昨年の11月8日の中間決算発表時における不用意な発言と、2019年3月期の目標として設定していた500億円という営業利益を2年後ろ倒しにしたことです。それについては、責任を感じていました。