「安定感はあるが、革新性がない」「技術はあるが、商売下手」──。1910年に創業し、戦後の日本経済をけん引し続けてきた日立製作所は、偉大な功績の割に市場や消費者からの評価がいまひとつ、という不思議な企業だ。足元の状況を見ても、2009年度以降の構造改革でV字回復に成功したものの、2015年度を最終とする中期経営計画では、未達に終わる見通しの目標も。「成長の壁に直面している企業」というイメージが鮮明になっている。だが、海の向こうでは今、そんな日立の評判がすこぶる高い。開発から人事まで、国内では進めにくい様々な改革をここ数年、海外で先行的に実施。その多くがここへきて、成果を上げ始めているからだ。海外拠点の変貌は、国内の日立の風土も変えつつある。過去四半世紀、抜本的な体質転換を果たせなかった日立。しかし、「外圧による改革」は、その歴史を塗り替える可能性を秘めている。

(ニューヨーク支局長 篠原 匡、ロンドン支局長 蛯谷 敏、宗像 誠之)

国内イメージ調査の概要:2015年6月5日から6日にかけて日経ビジネスが全国の20~59歳までのビジネスパーソン312人を対象にネット調査を実施。複数回答により選択された日立に対するイメージを編集部で整理し集約した。
海外イメージ調査の概要:日立レールヨーロッパ、日立データシステムズなど今回の企画で取材した日立グループの海外拠点で働く複数の外国人社員に、入社前の日立グループに対するイメージや入社動機などを聞き取り調査し、編集部で整理し集約した。
(イラスト=アフロ)

CONTENTS


日経ビジネス2015年7月6日号 24~25ページより目次