銀行主導の事業売却が進み、東芝にはかつての名門企業の面影はない。だが事業売却には限界があり、早晩行き詰まる可能性もある。企業再生のプロが訴える最適解は会社更生法など法的整理の活用だ。

<b>綱川智社長は、東芝の今後についてどういった結論を下すのか</b>(写真=稲垣 純也)
綱川智社長は、東芝の今後についてどういった結論を下すのか(写真=稲垣 純也)

 「今は銀行主導で優良事業の売却を進めているだけ。経営陣が将来の東芝をどういう会社にしたいのかが見えない」。かつて半導体大手、エルピーダメモリで社長を務めた坂本幸雄氏(現ウィンコンサルタント社長)は、東芝の現経営陣をこう切り捨てる。

 無理もない。東芝が進める経営再建は、誰が見ても銀行主導なのは明らかだ。企業再建を手掛けるインテグラルの佐山展生代表(スカイマーク会長を兼務)は「一般的に経営危機に陥ると金融機関など債権者の意見が強くなり、企業再生よりも債権回収が優先されがちだ」と指摘する。

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