2大国の摩擦の本質は台頭する中国に対する米国の恐れが背景にある。中でも米国が神経をとがらせているのが、長足の進歩を遂げている中国の技術力だ。今後の経済成長に直結する次世代技術でどう米国をしのぐのか。

北京曠視科技の顔認証技術の一つ。顔を検知すると性別と推定年齢が即座に表示される(上)。本社には、顔認証などの技術を表示する巨大ディスプレーがある

 従業員がエレベーターホールからオフィスに近づくと、ロックがかかっている自動扉がスーッと開いた。すると受付近くにあるディスプレーには、立ち止まることなく通過した従業員の氏名と顔写真が即座に映し出された。AI(人工知能)による顔認証技術で急成長している中国企業、北京曠視科技(Megvii、メグビー)の本社だ。

 顔認証のサービス名である「Face++」でも知られる同社は、中国の首都・北京の中関村に本社を構える。かつては電気街として有名だったこの地域は、北京大学や清華大学といった世界ランキングに名を連ねる名門大学にも近い。現在はこうした大学を卒業した起業家らが集まる、スタートアップ企業の一大集積地となっている。