「帝国」復興に自信を深める中国と、その台頭に警戒感を強める米国。関税の報復合戦は、両者の角逐の始まりにすぎない。

(写真=ユニフォトプレス)

 『The end of History?(歴史の終わり)』。米国の政治学者、フランシス・フクヤマ氏は1989年に出した論文と、その後に続いた書籍で、イデオロギー領域の「歴史」は終わったと宣言した。

 ドイツの哲学者、ヘーゲルは社会の進歩は永遠には続かず、人類が根源的に望む社会形態が実現すれば、進歩のプロセスは終わりを迎えるとした。フクヤマ氏はヘーゲルの洞察を基に、民主主義・自由市場経済体制が最適な社会形態と判断。進歩のプロセスとしての「歴史」は終わったと考えた。

「民主主義は劣化する」

 そして、論文から数カ月後にベルリンの壁は崩壊。「歴史の終わり」は共産主義に対する民主主義の勝利という文脈で語られるようになった。それからおよそ30年。「歴史の終わり」とは異なる光景が目の前に広がっている。

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