知られざるスタンド会社が、輸入への風穴を開け、企業からの取引依頼が殺到する。一体化に向かう石油業界──。国を挙げた不沈艦隊の鉄壁の守りが崩される日は来るのか。

それは、掟破りのはずだった。
名古屋港の一角に並ぶ23基の石油タンク。それを所有するのは、一般には無名の中川物産というコスモ石油系列の石油販売会社だ。
しかし、業界でその名を知らぬ者はいない。
「権太」。元売りは、価格破壊の先頭を突き進む業者をそう呼んで、玉が流れないよう陰に陽に妨害を続けてきた。その権太の代表格が、中川物産だった。
2強時代が到来し、業転玉が絞られる今、にわかに注目を集めている。その理由が、このタンクに隠されている。
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