M&A(合併・買収)を繰り返し、たばこ世界第3位となった日本たばこ産業(JT)。堅調な業績が評価され、株価は5年で3倍になり、今年は3つ目の大型買収も実施した。だが、たばこは健康を害するとして規制が強化され、業績には変調の兆しが見える。日本を含む先進国では、電子たばこが台頭し、新たな脅威になりつつある。急速に変わり始めた市場環境に、経営陣は危機感を募らす。完全民営化というゴールがありながら、いまだに株式の3分の1を政府が保有する矛盾もある。それでも、グローバル市場で成長の限界に挑むJTの姿は、多くの企業の未来に重なる。「我々とは何者か」──。30年後を見据えた自分探しの旅が始まった。

(河野 祥平、杉原 淳一、大竹 剛)

株価は5年で約3倍。業績には変調の兆しも
●JTの業績と株価の推移
注:2011年度からIFRS(国際会計基準)に移行。2014年度は決算期変更により4~12月期
世界のたばこ市場は寡占化が進む
●2014年の企業別シェア
注:JT調べ。中国の市場と中国の専売公社は除外
海外たばこ事業が成長を支える
●JTの2015年度の売上高構成

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日経ビジネス2016年6月13日号 28~29ページより目次