M&A(合併・買収)を繰り返し、たばこ世界第3位となった日本たばこ産業(JT)。堅調な業績が評価され、株価は5年で3倍になり、今年は3つ目の大型買収も実施した。だが、たばこは健康を害するとして規制が強化され、業績には変調の兆しが見える。日本を含む先進国では、電子たばこが台頭し、新たな脅威になりつつある。急速に変わり始めた市場環境に、経営陣は危機感を募らす。完全民営化というゴールがありながら、いまだに株式の3分の1を政府が保有する矛盾もある。それでも、グローバル市場で成長の限界に挑むJTの姿は、多くの企業の未来に重なる。「我々とは何者か」──。30年後を見据えた自分探しの旅が始まった。
(河野 祥平、杉原 淳一、大竹 剛)
CONTENTS
PART1
「本丸」日本市場に刺客
2つの「異端児」容赦なき攻防
PART2
世界で進む規制と寡占化
M&Aでも独力でも、高まる成長ハードル
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