仕事は命令ではなく、社員が自発的に入札で請け負う。命令と統制で社員を動かす日本企業の仕組みが逆に効率を損なうという。外の自由市場と同じ競争と責任の仕組みを社内に持ち込んで人を動かす。

<span class="fontBold">ディスコが2006年に買収した旧ダイイチコンポーネンツはウィルを使った経営で不振から立ち直った</span>(写真=渡辺 幸雄)
ディスコが2006年に買収した旧ダイイチコンポーネンツはウィルを使った経営で不振から立ち直った(写真=渡辺 幸雄)

 長野県茅野市。標高800mの高地に立つディスコ茅野工場は、もとはディスコにモーターを供給していた電機メーカーだった。業績不振に陥った同社の事業を買収したのが2006年12月。今では利益を生み出すほど、業績は回復したが、この再生劇の柱となったのも、社内通貨Will(ウィル)や個人の気づきを経営改善に生かすPIM(パフォーマンス・イノベーション・マネジメント)を中心としたディスコの超個人主義経営だった。

 「買収直前に会社を訪れた時、当時の社長と現場を回っても誰も社長に挨拶をしようとしない。社員の顔色は暗く、これでうまくいくのかとさえ思った」

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