BtoBの成長に可能性
ヤマトホールディングス 山内 雅喜 社長
<span>ヤマトホールディングス</span><br /> 山内 雅喜社長
ヤマトホールディングス
山内 雅喜社長
1984年入社、2005年東京支社長、11年ヤマト運輸社長、15年から現職。(写真=的野 弘路)

 宅急便は誕生以来、荷物を出す側、受け取る側の利便性を高めて、信頼を高めてきた。今回、ネット通販の急拡大でラストワンマイルのネットワークにズレが生じ、対応が後手に回ってしまった。一連の出来事は、サービスへの信頼を失いかねない事態だと危機感を持っている。

 ヤマトは環境の変化にきちんと対応して、本来提供すべき信頼されるサービスを持続できる環境を作り出さなければならない。それは何かと言うと、社員が生き生きと働ける環境を作ることだ。全国に働き方改革委員会を作って、グループ全体で社員からの意見を吸い上げる。現場の工夫も生かして働き方改革を進めていく。

 一度は荷物の数量をコントロールして、減らす必要もあるかもしれないが、それに協力してくれるお客様に対応していく。価格だけの客は離反しても仕方ないと考えている。

 宅急便は成長過程でシェア拡大のために、数量を追った時期があり、運送業のパターンとして数量の多い荷主には大きな値引きをしていた。こうしたプライシングの考え方は今後見直す。

 一方で「バリュー・ネットワーキング」構想などの手は引き続き打っていく。成長分野と考えているのが企業間取引(BtoB)市場だ。単に配送だけを請け負うのでなく、物流改革まで入り込んで、顧客を獲得していきたい。

 大型物流施設「羽田クロノゲート」のように、今まで人手でやってきたことを機械化、自動化して物流効率を上げる取り組みは今後も続ける。それによって、取扱量は増えてもコストは抑えていく。宅配ロッカーや受け取りポイントの拡充などで、ラストワンマイルも最適化していく。(談)