個人のデータをカネに換え、ネット社会を牛耳る米グーグルなどの巨大なテクノロジー企業。制御しきれないほど膨大なデータを集めた結果、情報流出を起こすなど限界も露呈した。信頼を取り戻すにはまず、個人情報を削除する権利をユーザーに戻すことだ。

「我々は個人データのコントロールを失ってしまった」
WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)の28回目の誕生日に当たる2017年3月12日。WWWを考案し、「ウェブの父」とも呼ばれる英科学者のティム・バーナーズ・リー氏はブログで悲壮なメッセージを発信した。今のインターネットは、かつて思い描いていた理想と大きく隔たっていると、リー氏は憂う。
インターネットは「誰もが情報を共有し、地理的および文化の境界を越えて協力できるオープンなプラットフォーム」(リー氏)を目指して発展してきた。米グーグルはかつて、そうした理想の体現者と見なされていた。1990年代からIT業界に君臨した米マイクロソフトに、無料のネットサービスで挑むグーグルは、紛れもなく“権威に抗う自由の旗手”だった。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1497文字 / 全文文字
-
有料会員(月額プラン)は初月無料!
今すぐ会員登録(有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題
日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「特集 7社が隠す個人情報」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?