米投資銀行最大手のゴールドマン・サックス(GS)がトレーダー600人をAIに置き換えた。圧倒的速さでスキルを身につけるAI。医師などの高給取りさえも、仕事が奪われ始めた。

<b>株式トレーダーでごった返すニューヨーク証券取引所の様子も、AI運用の普及で様変わりするかもしれない</b>(写真=AP/アフロ)
株式トレーダーでごった返すニューヨーク証券取引所の様子も、AI運用の普及で様変わりするかもしれない(写真=AP/アフロ)

 今年1月中旬、米ハーバード大学が開催したシンポジウム。世界中から集まった科学者などでほぼ満席となった会場は、登壇者である一人のコンピューターサイエンティストの登場を待ち望んでいた。男の名はマーティン・チャベス氏。当時、ゴールドマン・サックス(GS)のCIO(最高情報責任者)で、この5月にCFO(最高財務責任者)に就任したウォール街の革命児だ。

 「金融は、数学とソフトウエアの時代になった」「ゴールドマンのビジネスモデルは今やグーグルのようだ」と、静かな口調で、挑戦的な言葉を聴衆に浴びせかけた。

 さらに「今まさにビジネスモデルを急転換している」とした上で「2000年に600人いた当社の株式トレーダーは、今や2人しかいない。代わりは(AIを使う)自動株式売買プログラムだ」と明かした。静まりかえる会場。AIによる金融業界の地殻変動は衝撃的だった。

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