EVバブルが崩壊した場合を想定し、すでに欧米メーカーは準備を始めている。カギを握るのが「捨てるところは捨てる」戦略だ。

「中国のEV(電気自動車)市場が今後も今のようなスピードで成長し続けるかどうかは分からない」

4月25日に開かれた北京国際自動車ショーのプレスデー。独BMWの展示ブース2階に設けられた小さな会議室で、同社のハラルト・クリューガーCEO(最高経営責任者)は親しみやすい笑みを浮かべてこう言った。「これからは『生産のフレキシビリティー』がより重要になる。当社はもうその準備を進めている」(クリューガーCEO)
政府の力強い後ろ盾の下、EVブームに沸く中国。世界の自動車大手は、その波に乗り遅れまいと一気にEV化へかじを切った。だが、PART1で見てきたように、その勢いに陰りが見え始めている今、EVへの過大投資は少し間違えれば自社の首を絞めかねない。
クリューガーCEOは神妙な面持ちになり、こう続けた。「新興メーカーならEVだけに集中投資できるだろうが、我々のような既存メーカーはそうはいかない。エンジン、ディーゼル、PHV(プラグインハイブリッド車)……。これらのパワートレインの市場はこれからも残るし、我々にはこれらを提供し続ける責任もある。これが経営を難しくしている」
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