米国の西海岸で、「植物肉」で作ったハンバーガーがヒットしている。肉だけではなく、卵も魚も牛乳も植物から作ろうというベンチャーも登場。IT、バイオに次ぐ成長分野として、ヒトとカネが流入し始めた。健康意識の高まりを受け、より体にいい成分で、食べ慣れた食品をゼロから作り直す。世界人口が90億人に達する2050年に向け、食料問題の解決も視野にビジネスが動き出す。それは18世紀以降の農業革新、食の工業化、IT・バイオ技術の台頭に次ぐ、第4次「食」革命だ。壮大なビジョンが先行する熱狂には危うさも潜むが、参入を目指す企業は後を絶たない。米国、欧州、そして日本で動き始めたフロントランナーたちを追った。
(大竹 剛、長江 優子、ロンドン支局 蛯谷 敏)