市場の成熟が進む中、ヒット商品開発のための多くの手法が色あせてきた。だが「面倒がる消費者」が今後主流になるなら、ヒット商品開発は難行苦行ではなくなる。本誌が提唱する新ヒットの方程式は単純明快。何でもいい、隠れた面倒を探し出せ──だ。

 きっかけは2016年夏、東京・渋谷で1人の青年が外国人旅行客に偶然声を掛けられたことだった。「荷物を預けられる場所を知らないか」

 猛暑の中、大きなスーツケースを抱え途方に暮れていた旅行客に同情した青年は一緒にコインロッカーを探した。が、駅周辺のロッカーはどれも満杯。結局、大型サイズの空きロッカーを探し出すのに40分を要した。