貧テックがフィンテックの隠れた主役であることを実感できるのがフィリピンだ。低所得ながらも人口は多く、スマホ普及率が高い。貧テックを育む土壌が整っている。

「あの日のことを忘れることはないと思う」。フィリピンの首都マニラで三輪タクシーの運転手として生計を立てるウィルフレッド・アギラさん(56歳)がそう語るのは、今から2年半前の2015年9月23日についてだ。三輪タクシーは二輪車にサイドカーを付けて走る「市民の足」。約40年市内を走り回ってきたアギラさんにとって、この日は生まれて初めて自前の愛車を購入できた記念の日なのだ。
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