4月6日、米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席が初めて会談した。トランプ大統領はかねて中国で作られる安価な製品が米国の雇用を奪っていると主張。中国製品に高税率の関税をかけると公言してきた。会談中に米国はシリアを攻撃。米中の懸案に対する具体策は乏しく、両国の溝が埋まったとは言い難い。モノの貿易高だけで60兆円を超える世界1位と2位の経済大国の関係にヒビが入れば、両国だけでなく世界全体が大きな影響を受ける。それでなくても中国の成長は減速しており、経済の構造転換は待ったなしの状態だ。だが、トランプ大統領の圧力が中国経済の変革を促すようなことがあるとすれば、また違った世界が現れるかもしれない。

(上海支局 小平 和良、主任編集委員 田村 賢司)

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日経ビジネス2017年4月17日号 22~23ページより目次