日本は人手不足に悩んでいるはずなのに、なぜ賃金が上がらないのか。利益分配の変化、労使の安定志向に加え、働き方改革という思わぬ伏兵も。

(写真=左:毎日新聞社/アフロ、中:Katsumi Kasahara/GAMMA/アフロ、右:ロイター/アフロ、背景:読売新聞/アフロ)

 「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」

 安倍晋三首相は1月の施政方針演説でトヨタ自動車グループの憲法ともいわれる「豊田綱領」を引用しながら、3%以上の賃上げや積極的な設備投資を行う企業の法人税負担を25%まで引き下げる意向を表明した。

 「官製春闘」と批判されながら産業界に賃上げを求め続けてきて今年で5年目。冒頭の発言は、春季労使交渉(春闘)全体に影響を及ぼすとされるトヨタに対しての、「今年はよろしく」とのメッセージにほかならない。安倍首相はこれまで春闘をリードする同社の賃上げ額が十分でないと周囲に不満を漏らしていたとされる。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り3172文字 / 全文文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「特集 給料はもっと上がる」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。