経営の神様こと松下幸之助氏ですら長年、頭を悩ませたと言われる「値付け」。経営の最重要事項であるはずのそんな価格戦略で、日本企業の迷走が深まっている。収益力の向上を目指し値上げに踏み切ったものの、客離れを招く企業あり。逆に「デフレは続く」と一段の値下げに走った結果、業績が低迷する企業もある。成熟時代には、中途半端な値段を付ける戦略では十分な利益は上がらない。常識価格を大きく上回る値段を設定し、その分、消費者が驚く付加価値を乗せるか、前代未聞の安値を打ち出し、顧客を力技で引き寄せる。いずれかの姿勢が必要だ。モノを売りたきゃ倍値か半値──。そんな「大胆値付け戦略」を先進企業に学ぶ。
(水野 孝彦、西 雄大)
CONTENTS
序章
「30万円ウォークマン」が映す
ソニーの「長き眠りからの目覚め」
PART1
値付けの新法則(高めの価格設定編)
中途半端な高価格は百害あって一利なし