「我々の鉱山に何の問題もない」

 問 NACの鉱山は9月の監査結果発表では違反を指摘されませんでした。ドゥテルテ政権の政策で経営にどのような影響が出ていますか?

 答 影響は価格に関することだけです。ほかの鉱山が操業停止になっても、我々は生産量を増やせる状況にありません。

 問 監査をパスできなかった企業も、多くはDENRが重視するISO(国際標準化機構)の環境基準認証を取得しています。そのことでDENRに対し基準の明示を求めています。

 答 それこそまさに、最終決定が遅れている理由でしょう。どんな基準を用いるかも明確に決まっていないのではないでしょうか。これを決めることだけでも、難しいはずです。

 問 8月にはNACの子会社、ヒナトゥアン・マイニング・コーポレーションにも操業停止勧告が出たと報道されました。

 答 勧告ではありません。DENRからレターは届きましたが、結果的に何も違反はないことが分かり、操業停止にもなっていません。ヒナトゥアンはスリガオ地区に鉱山を持っています。DENRのジーナ・ロペス長官は、かねてより同地区での生態系保護を訴えてきました。同地区で鉱山開発すること自体に反対だったのです。

 昨年末、ロペス長官は我々の鉱山を視察に来ました。採掘が終わった古い鉱山で森が復活している様子も見てもらいました。環境活動家の大半は、放棄された鉱山や廃液だけを見て、鉱山の開発に反対しています。本当の「責任ある鉱山開発」を見てもらいたい。

 問 NACの鉱山開発に、反対する先住民もいます。

 答 NACには操業中の鉱山が4つあり、うち2つが先住民の居住区域の近くで操業しています。しかし、NACは彼らを完全にサポートしています。土地の使用料を払い、奨学金など社会的な支出もまかなっています。これまでもずっと、友好的な関係を築いてきました。

 開発に反対する先住民は、NAC以外の鉱山を問題視しているだけです。我々の鉱山に反対する先住民がいるとしたら、使用料を少しでも多く得るための交渉手段として反対しているのでしょう。

 環境NGO(非政府組織)についても同じです。補助金や基金を獲得するための反対運動にすぎません。反対すること自体が目的化している。もちろん、全てのNGOがそうだと言うわけではありません。

 問 年末にはロペス長官がニッケルの大手企業を集め、鉱山企業の地元社会へのサポートの在り方について議論しました。

 答 会議は、ロペス長官が我々の鉱山に視察した翌日に実施されました。鉱山会社は法令により、利益の1.5%を「SDMP (Social Development and Management Program)」という地域社会の発展プログラムに使うことが求められています。使い道は、鉱山周辺のコミュニティーに対することに限定されています。ロペス長官は、対象地域を拡大したいようです。

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