世界各国で自国優先主義が台頭し、調達リスクが顕在化した。フィリピン発のニッケル供給不安、中国が起点となったリチウム高騰…。偏在しているがゆえに、囲い込みによって「元素」が買えない時代が来る。スマートフォンから家電、電気自動車…。生産に暗雲が垂れ込める。資源を持たない日本が「元素ショック」を乗り越える道はただ一つ。競争の土俵を変えるようなイノベーションを起こすしかない。
(島津 翔、大西 孝弘、寺岡 篤志)
CONTENTS
PART1
自国優先主義で調達リスク再燃
ニッケル供給懸念 火薬庫はフィリピン
「水素」から「ニホニウム」まで徹底解説
周期表で見る元素の今
PART2
備えあれば憂いなし
調達不安に勝つ 3つの「ショック療法」
探査船「ちきゅう」30日間の航海記
沖縄に眠る宝の山 深海底を発掘せよ
PART3
裏山の竹林がイノベーションの宝庫に
買えないなら作れ 現代の「錬金術」