物流のノウハウを蓄積

 問 物流施設は本当に追い風ですね。

 答 大和ハウスはつい先ごろから物流に乗り出した、という印象がありますが、これでも15年以上の歴史があるんですよ。築20年近い物件もあります。ですから相当ノウハウを蓄えてきましたし、既存のものと違う施設を造ることができます。

 何が違うかというと、より安全で、安心して使える建物ということですね。一般的には地主さんの依頼を受けて物流施設を造り、そこにテナントを付ける。景気が良くなれば、一気に賃料が高くなります。しかし我々が造るものはテナントが決まっているものが多い。建てるときに条件も決まっています。これぐらいの条件で、15年程度を一つのめどに借りていただくと。

(写真=陶山 勉)

 問 それを続けると、次の施設にもいいテナントが入るし、そういう好循環が続いて業績も良くなるということですか。

 答 大和ハウスの物流倉庫の75%はBTS型。テナントが決まっているタイプです。残りはマルチ型ですが、これは施設を建て、その都度テナントを募集して入ってもらうタイプです。バランスは結構こだわっていまして、BTS型がメーンで、マルチ型はそれに付随する形の割合を重視していきたいと思います。少なくともマルチ型が90%になるような会社にはしないつもりです。

 問 大和ハウスの住宅事業は相対的に小さくなっています。代わりに商業施設や事業施設など他の事業が売上高の半分以上を占めています。将来の事業ポートフォリオをどう考えていますか。

 答 確かに住宅部門の売り上げは全体の1割ぐらいしかありませんが、必ずしも実態を正確に示しているとは言えないと思います。住宅と言いながら店舗付き住宅もあれば、賃貸住宅が付いた住宅もあります。事業をよく見ると、他の事業との垣根がだんだん低くなってきているんですね。ですから最終的なポートフォリオというのは、あまり決めない方がいいような気がします。

 住宅部門で何を言い出しているかと言うと、これからはもっと色々なものが混ざり合っていくのではないかということです。だから扱うものは必然的に広がっていくことになるだろうが、住宅事業の精神は守らなければならないということですね。

 問 そうした時代の到来を見据えて、不動産、住宅、建設など関わりがある様々なメニューを用意してきたのですか。

 答 そこまで意識したわけではありませんが、部門間の協力は確かに増えていますよね。例えばゼネコンのフジタを買収しましたが、フジタのおかげで海外のポジションを圧倒的に高くすることができた。東南アジアなどではナンバーワンの会社です。そうするとベトナムとかで、フジタと当社の賃貸住宅事業が協力し合って物件を造るということが必然的に多くなりますね。

 口を酸っぱくして言っていますが、自分の部門で全て解決しようとするのではなくて、もうオール大和ハウスで提案、解決していこうと。その土地に最適なものが何なのか、一つの知恵だけではうまくいかないケースが多々あるでしょう。例えば、賃貸住宅よりもサービスアパート、ホテルの方が立地として向いていることもある。だから色々なものを扱えるように、各部門が勉強しないといけないですね。