売上高をここ6年で2倍に増やした大和ハウス工業。親密な関係を築いた土地オーナーへの幅広い事業提案が成長の原動力だ。創業者精神を全社員が共有し「売上高10兆円」の壮大な目標へと突き進む。

(聞き手は 本誌編集長 飯田 展久)

(写真=陶山 勉)
PROFILE
[おおの・なおたけ]1948年生まれ、68歳。愛知県出身。71年慶応義塾大学法学部卒、大和ハウス工業入社。新潟支店長、横浜支店長、取締役・近畿地区長、専務・東京支社長などを経て2007年副社長、2011年から現職。初任地の静岡以来、社歴の大半を営業畑で過ごしてきた営業のプロ。映画雑誌に評論を寄稿し、演劇論にも精通する。

事業ポートフォリオはあまり決めない。
色々な物件を扱えるよう、各部門で勉強する。

 問 2016~18年度の3年間の中期経営計画で、最終年度の営業利益を2800億円にする目標を掲げました。これを初年度に達成する見通しです。

 答 この中計を作る際には(当初、今年4月に予定されていた)消費増税が頭にありました。景気が鈍化する可能性もあったので、かなり慎重に作りました。

 問 不動産王のドナルド・トランプ氏が米大統領に就任しました。業界にメリットはありますか。

 答 2017年3月期に海外で売上高1000億円、営業利益60億円程度を見込んでいますが、米国の利益が三十数億円入っています。トランプ大統領の政策は、いま一つ読み切れないところがあります。今期売ろうと思った物件を売らないなど、ひとまずマーケットを見極めたいと思います。

 もっとも住宅市場の動向を、あまり短いレンジでは考えていません。大統領が誰になり、どのような政策を打ち出すかに一喜一憂はしません。仮に危機が起きても、良いものを確実に造って販売すれば、大きな損失とはなりませんしね。

 2008年にリーマンショックが起きましたよね。当然、住宅市場も冷え込みましたが、我々は物件の販売を続けました。その時に分かったのは、安全・確かで、運用面でも魅力がある商品の売れ行きは全くぶれないということです。ですから翌年、景気が冷え込む中でも、我々は少しずつでしたが物流用地などを積極的に買っていきました。

 問 あえて攻めの投資をしたのが、今になって生きているということですか。

 答 一部は間違いなく生きています。今振り返ると、むしろまともな買い物ができたという感じがしますね。