米国でトランプ新大統領が誕生し、これまでのグローバリゼーションが修正を迫られる。その根底には、大企業が主導する資本主義の恩恵にあずかれなかった、無数の市民の不満がある。格差の拡大や地球温暖化など、企業活動は様々な社会問題の原因となってきた。だが、「ESG」「SDGs」「パリ協定」をはじめ、企業がリーダーとなり課題を解決する指針は整った。近視眼的な利益追求は社会との分断を大きくする。“トランプの時代”に動じない、長期視点が必要だ。企業と社会が価値を共有する「サステナブル(持続可能な)経営」。これが、新時代の競争軸になる。

(ロンドン支局 蛯谷 敏、ニューヨーク支局 篠原 匡、大西 孝弘、林 英樹、島津 翔、大竹 剛)

CONTENTS

PRPLOGUE
トヨタ揺さぶる世界の「難題」

PART1
GE、エシロール、ダノンに学ぶ
成長を加速する「Local」と「Why」

PART2
専門家が解説
今、「サステナブル」に本気になる5つの根拠

PART3
花王、コマツ、LIXILが覚醒
世界が求めるビジョンを語る力

INTERVIEW
米ハーバード大学 マイケル・ポーター教授に聞く
社会課題の解決、企業が主役に

EPILOGUE
国家を超える企業、もう逆戻りはしない

INTERVIEW
編集長インタビュー
ムーター・ ケント氏[米ザ コカ・コーラ カンパニー会長兼CEO(最高経営責任者)]

全員参加型の資本主義へ

『日経ビジネスDIGITAL』会員向けインタビュー全文

規模追求はもう限界。理念を軸に会社作り直し
“社会派CEO”、仏ダノンのファベール氏に聞く

「難題だらけ」がイノベーションを生む
仏エシロール会長兼CEO、サニエレス氏に聞く

「世界共通のルール」はもう通用しない
米ボストンコンサルティング、レッサーCEOに聞く

世界3位に向け「コケない経営」を徹底
「きれい」な花王を目指す、澤田道隆社長に聞く

資源メジャーや米GEに学んだ「ESG」の潮流
“サステナブル先進企業”コマツ大橋社長に聞く

「環境に優しいから高価格」という発想は間違い
「RE100」の仕掛け人、イケアのハワードCSOに聞く


日経ビジネス2017年1月23日号 22~23ページより目次