宇宙は今や、誰でも活用できる時代に突入している。トヨタ自動車もシャープも、地上の問題解決の秘策になることに気付き始めた。

トヨタ自動車は小型衛星アンテナを開発する米ベンチャーのカイメタと資本提携を結ぶ。右はその内容を説明するトヨタの友山茂樹・専務役員。円内の茶色の部分が開発中のアンテナ(写真=下:ロイター/アフロ)

 米国シアトル近郊のレッドモンド。この街に、米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏などが出資するベンチャー企業カイメタはある。

 同社は「メタマテリアル」と呼ばれる人工物質を使い、軽くて薄い衛星向けの平面アンテナの開発に成功。小型軽量でありながら、大容量のデータを高速通信できる新型アンテナが、宇宙と地上をつなぐ新たなデバイスとして注目を集めている。

 トヨタ自動車もその一社だ。2013年からカイメタと共同研究を始め、2016年1月には傘下のファンドを通じてカイメタに約6億円を出資した。同社との連携を強めたいトヨタの意志の表れだ。

 それから1年。直径20cmの超小型アンテナの開発にも成功し、クルマへの搭載がいよいよ現実味を帯びてきた。搭載されれば、通信インフラの整わない山奥や砂漠のような場所でも、衛星を使って「つながるクルマ(コネクティッドカー)」を実現できる。