シリーズ
時事深層

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日本のLNG安定調達に迫る中国の影 見通せぬ原発が招く購買力低下
世界の液化天然ガス(LNG)市場で中国の存在感が高まるなか、日本の購買力の低下が懸念されている。LNG需要に直結する原子力発電所の再稼働が見通せず、電力会社は調達量を売り手に明確に提示できない。中国の脅威を前に、日本はL…
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中国「ルンバキラー」が日本上陸 清華大発スタートアップの実力
中国の新興家電メーカーが世界での存在感を高めている。欧州でロボット掃除機がヒット。今年に入って日本市場への進出を果たした。中国屈指の名門、清華大学発のスタートアップの実力はいかに。
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日銀、植田新体制が始動 市場との信頼関係は復活するか
日銀の総裁が10年ぶりに交代し、経済学者の植田和男氏が率いる体制が動き出した。マーケットの最大の関心事は、「異次元緩和」が続くかどうかにある。黒田東彦前総裁時代は「サプライズ」が多かったが、植田氏の発言や語録からは対話重…
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JR東海の新社長に丹羽氏が就任 新世代トップが挑むリニア問題
4月1日付でJR東海社長に就任した丹羽俊介氏は、民営化後に新卒入社した世代として初の経営トップ。東海道新幹線という圧倒的な稼ぎ頭を持ち、「真面目」「堅い」とされる社風の変革と、リニア問題の打開に挑む。膠着状態に陥っている…
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宇宙ベンチャー上場、初値が公募価格の4倍 IPO時の企業評価に課題あり?
4月12日に上場した宇宙ベンチャーのアイスペースの初値が、公募価格254円の約4倍となる1000円を付けた。前回の評価額1203円より8割低い公募価格を付けられていたが、蓋を開ければ投資家の引き合いが強かった。スタートア…
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石化事業存続へ技術開発に賭け 旭化成社長「再編では解決せず」
旭化成は4月11日、足元の半導体不足などを受けて2025年3月期までの中期経営計画の利益目標を引き下げた。業界で石油化学(石化)関連事業の再編機運が高まる中、工藤幸四郎社長は「再編では何も解決しない」と指摘。水素製造や二…
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JAL・ANAが「格安セール合戦」 システム障害より重い副作用も
日本航空(JAL)が4月7~8日、国内線の片道運賃が6600円になる格安タイムセールの第2弾を行った。3月のセールはアクセス集中によるシステム障害で中止したが、対象搭乗期間を細かく区切るなどして仕切り直した。全日本空輸(…
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ファンドと対峙するセブン&アイ ヨーカ堂の赤字で強まる逆風
国内小売業で初めて売上高10兆円超えの「偉業」を成し遂げたセブン&アイ・ホールディングス(HD)。だが、好調なコンビニ事業に対し、海外ファンドが分離を求めるスーパー事業は光熱費上昇などの逆風が強まる。同事業の中核、イトー…
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少子化対策のたたき台公表 最大8兆円、財源確保は難航必至
政府が3月31日、岸田文雄首相が掲げる「次元の異なる少子化対策」のたたき台を公表した。経済的支援強化や子育てサービスの拡充といった多様な政策を明記したが、裏付けとなる財源には触れなかった。財源を巡る議論は国民の負担増につ…
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LINEバンク構想が消滅 みずほが探る楽天との一蓮托生
みずほフィナンシャルグループ(FG)とLINEによるネット銀行「LINEバンク」の開業が中止になった。度重なる障害を乗り越えても、激しさを増す競争で勝ち残れないと判断した。ネット金融の成長戦略見直しを迫られるみずほFGは…
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EUがエンジン車販売禁止を撤回 日本勢、合成燃料に楽観は禁物
欧州連合(EU)が2035年以降は内燃機関(エンジン)車の新車販売をすべて禁じるとしてきた方針を撤回した。エンジン車で強みを発揮してきた日本の自動車メーカーと部品を供給するサプライヤーにとって追い風にも見える。だが「こう…
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「トランプショー」とその代償
34件の罪で起訴されたドナルド・トランプ氏。ニューヨークの裁判所に向かう姿はつぶさに全米に生中継された。大統領選を控える民主・共和両党の攻防の側面があることは確かで、市長や市警、メディアも名脇役を演じた。分断ばかりあおり…
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セブン&アイに物言う株主が戦闘態勢 「売上高11兆円」の先に待つ難路
セブン&アイ・ホールディングスの大株主である米投資会社、バリューアクトが公開質問状を突き付けた。主力のコンビニ事業のスピンオフを求め「コングロマリット・ディスカウント」を解消させるのが狙いとみられる。セブン&アイは4月中…
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イオンが次世代ネットスーパー AIが商品提案、東京本格進出へ
イオンが2023年夏、新たなネットスーパーを立ち上げ、大型店舗の空白地だった東京都心に本格的に攻め込む。その名は「Green Beans(グリーンビーンズ)」。約5万点を保管できる物流拠点を千葉市内に新設した。AI(人工…
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NTT東西の「フレッツ光」で大規模通信障害 想定外への対応、悩む通信業界
4月3日午前7時ごろ、NTT東日本とNTT西日本の光回線サービスで大規模な通信障害が発生した。NTT東西のビルに設置している装置に「特殊なパケット」が届き、想定外の動作をしたことが原因だ。繰り返される大規模障害に対して、…
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過熱する対話AIの“導入競争”
米マイクロソフトが「ワード」や「エクセル」などビジネスツールに、対話AIの「ChatGPT」を組み込むと発表した。現在は一部ユーザーを対象に試験をしており、価格や提供時期などの詳細は後日、改めて知らせる予定だという。AI…
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豊田章男氏が自工会会長続投 抜群の発信力、見据える「広島」
退任する意向だった日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車会長)が一転、続投した。副会長などとして豊田氏を支えてきた各社首脳らが「余人をもって代えがたい」として強く慰留したからだ。自工会改革の実行もさること…
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ジャック・マー氏「突然帰国」の直後 アリババ、統制の果ての6分割
中国ネット通販大手のアリババ集団は3月28日、持ち株会社制に移行し、6つの事業に分割・再編すると発表した。事業会社の意思決定を迅速化し、資金調達や新規株式公開(IPO)を視野に入れる。直前には創業者の馬雲氏が1年以上ぶり…
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クレディ・スイス救済で市場混乱 株式より先にAT1債「全損」
スイス金融最大手、UBSによる救済買収が決まったクレディ・スイス・グループ(CS)。一連の処理で、株式よりリスクが低いとみられていたCSの債券の一部の価値がゼロになり市場が動揺している。世界各国の金融当局が不安心理の打ち…
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ガバナンス制度のもろさを露呈 東芝が示す「社外取」の限界
東芝は日本産業パートナーズ(JIP)を中核とした国内連合による買収提案を受け入れると表明した。銀行の融資姿勢が再び変化しかねない瀬戸際でのタイミングになった背景には、社外取締役の存在があった。第三者として株主の声を経営に…