シリーズ
時事深層

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東電、安定は束の間の夢
1兆円の公的資金注入、電気料金値上げで東電に薄日が差す。裏には原発事故の巨額の除染・解体費用と発送電分離がある。値上げなどに批判は強く、再度の危機の可能性は消えない。
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TPP交渉は「全品目対象」
TPP交渉参加に向けて始まった関係国との事前協議。どんな姿勢で協議に臨むのか。政府の対処方針が判明した。原則、すべての品目を交渉対象にすると伝えるのが柱だ。
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日産のノドに引っかかる小骨
日産車体の株式を海外ファンドが大量保有している。日産自動車との親子上場の問題を突こうとの訴訟も提起した。国内体制再編を進める日産に影響を与える可能性も出てきた。
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中国で「美術品収集」が過熱
中国人投資家の目がアートに向けられている。オークションでは10億円単位の破格の取引も出始めた。かつて、アートバブルに沸いた日本の二の舞いになるのか。
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「パートに社会保険」の波紋
社会保障・税の一体改革で、パートの保険拡大が盛り込まれた。「消費税増税と並ぶダブルパンチ」と業界は反発する。パートが適用外まで時短すれば、施策はマイナス効果を生む。
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国産スマホ、“最後”の挑戦
富士通とNECがスマートフォン(高機能携帯電話)を海外市場に本格投入する。パナソニックやソニーなども先行して海外展開を明らかにしている。携帯事業の生き残りをかけ、最初で最後とも言える挑戦が始まる。
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若者を魅了する「築50年団地」
全国に約77万戸あるUR都市機構の公団住宅、その再生が京都市伏見区で始まった。民間の建築事務所を起用し、団地に縁の薄い20~30代の若者の取り込みを狙う。UR物件の多くは築50年以上。今後迫られる住宅ストック再生の試金石…
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「目的なき公益法人」の迷走
期限まで2年を切ったが、旧公益法人の移行が進まない。「公益」のハードルが高く、しかも自らの存在意義すら見えない。存続のため、今になって事業目的を考える組織が急増中だ。
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13年ぶり新薬が呼ぶ波紋
エスエス製薬が年内にも、新たな大衆薬を発売する。西洋ハーブを使った薬だが、小売りの見方は冷ややか。売り方を間違えれば、健康食品を巻き添えにした共倒れも。
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石油よりLNGに注意、イラン制裁で供給不安
核開発を進めるイランへの制裁を巡り、日本のエネルギー関係筋に新たな懸念が広がっている。「ホルムズ海峡の封鎖で注意すべきは石油よりもガスの供給だ」。総合商社幹部はこう語る。
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オリンパス粉飾問題、監査法人の対立も深く
新日本監査法人が外部有識者を集めて設置したオリンパス監査検証委員会は13日、経過報告を行い、英医療機器メーカー、ジャイラスの買収に関する会計処理について、現時点で問題は見当たらないとの見解を示した。
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台湾総統に馬氏再選、「融合路線」は盤石?
1月14日に実施された台湾の総統選挙で、国民党の馬英九(マーインジョウ)総統が民主進歩党の蔡英文(ツァイインウェン)主席を退け当選した。中国との融和を進めてきた馬総統の再選で、台中関係の深化が予想され、産業界などには歓…
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史上最高値更新、視野に
イランへの米制裁強化で、原油の供給不足が懸念されている。原油価格は昨年末から10ドルほど上昇し高止まりしている。最悪の事態ならば、史上最高値を更新する可能性も出てきた。
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トヨタ、国内生産維持へ猛攻
2012年の国内自動車販売のカギを握るのはトヨタ自動車だ。昨年までの鬱憤を晴らすかのような新型車ラッシュが控える。子会社のダイハツ工業を含めて「トヨタ一色」の可能性もある。
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オートサロン、クルマ好き殺到
改造車の祭典、「東京オートサロン2012」が25万人を集客。若者のクルマ離れはいずこ、と思わせるほどの活況を呈した。今や自動車メーカーも熱視線を送り、趣向を凝らす。
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KDDIが狙う「連鎖反応」
KDDIが固定・携帯のセット割を春商戦に投入する。家族4人がau携帯にすれば、固定は実質無料になる。電力系やCATVとも連携し、「ゲームチェンジ」を狙う。
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アサヒ「酷似騒動」が映すもの
アサヒビールが2月に発売する新商品が批判を浴びている。同社の看板商品に似ており、誤飲を招きかねないという理由だ。実は過去にも人気商品に似たパッケージが問題になっていた。
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仏格下げで「独断」に要警戒
フランス国債の格下げが「メルコジ」体制を揺さぶりそうだ。ドイツは安全網の拡充に一段と慎重になる可能性がある。独主導で対応が遅れれば、欧州債務危機はさらに長引くことに。
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有機ELテレビ、日本上陸の破壊力
年始恒例の米家電見本市「CES」は、韓国勢の有機ELテレビに話題が集中した。年内にも製品が投入される日本市場は、韓国勢が攻めあぐねていた「最後の未開拓地」。圧倒的な薄さや画質の高さをアピールし、“国産信仰”が強い日本人に…
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一体改革素案が抱える年金爆弾
消費税引き上げを含む社会保障と税の一体改革には隠れた「爆弾」がある。最低保障年金制度は、中高所得者にとって給付減、負担増の恐れがある。負担と給付の試算は国民に見えず、「知らされないまま」の改革進行の格好だ。