自民、公明両党が2019年度の与党税制改正大綱を決めた。消費税率10%への引き上げに伴う景気落ち込みを防ぐ対応を優先し、減税色の強い内容となった。19年度当初予算案などにも手厚い増税対策が盛り込まれるが、制度の複雑化などの懸念材料も指摘される。

消費の下支えや地方への配慮を重視した
●2019年度税制改正大綱の主な内容
自動車関連 増税後に購入した車の自動車税を最大年4500円引き下げ
購入時に支払う燃費課税を1年限定で1%引き下げ
エコカー減税、グリーン化特例の対象車種を絞り込み
住宅ローン減税の適用期間を10年から13年に延長
教育資金贈与援助を受ける側の年間所得を1000万円以下に制限、2年延長
事業承継個人事業主が事業用建物などを譲る場合に贈与税などを猶予
地方関連東京に集中する税収の地方への配分を拡大

 「消費税率10%の先」をにらみ、何としても今度の税率引き上げを成功体験にしたい──。

 政府・与党内のこうした共通認識を反映し、今回の税制改正では消費増税の影響を受ける自動車と住宅の販売の落ち込みを防ぐ対策が焦点となった。「来年の参院選などを控え、負担増になる議論の先送りが早々と固まっていた」。今月14日に決定した与党の19年度税制改正大綱について財務省幹部はこう明かす。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1059文字 / 全文1615文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。