DeNAの守安功社長は全情報サイトの休止を発表した5日深夜、本誌の取材で複雑な胸中を吐露した。炎上の契機となったヘルスケア・医療関連の「WELQ」について、このまま廃止する可能性を示唆。主力のゲーム事業が落ち込む中「焦りはあった」という。「生まれ変わる」と決意を口にしたが道のりは険しい。

12月5日深夜、ディー・エヌ・エー(DeNA)本社が入居する東京・渋谷の複合ビル「ヒカリエ」。その22階の社長室に、憔悴しきった様子の守安功社長がいた。
医療関連のキュレーションサイト(情報まとめサイト)「WELQ」に端を発する炎上問題はこの日、結果として10サイトあったDeNAのキュレーション事業のすべてが休止するという、衝撃的な展開へと発展した。
12月1日の段階では「問題がない」とし、唯一残っていたファッション関連サイトの「MERY」だが、土日にまたがる長時間の取締役会を経て、週明けの5日に休止を発表。同時に第三者委員会を設置し、問題の所在や原因、対策等をつまびらかにするとも発表した。
7日の記者会見に向け深夜までスタッフらと対策を練っていた守安社長。その口から言葉が漏れ出した。
「第三者委員会を待たないと何とも言えませんが、WELQの再開はなかなかハードルが高いといいますか、難しいという認識でいます」
昨年10月の開始から1年足らずで月間2000万人以上もの利用者を集めるまでに急成長していたWELQは、閉鎖へ向かう可能性が高い。その他の9サイトについても、再開のメドは立っていない。全体で月間1億6000万人もの利用者を集めていたキュレーション事業は来期(2018年3月期)、四半期で10億円規模の営業利益を稼ぐ想定だったが、それも白紙となった。
●キュレーション事業の月間利用者数

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