米IBMが11月に発表した量子コンピューターの試作機が、世界に衝撃を与えている。机上の空論とされてきた「量子ゲート方式」が実用化し、コンピューターの常識が一変するからだ。仮想通貨は陳腐化し、エネルギー問題の解決にもつながる技術。各国の競争が熱を帯びている。

<span class="fontBold">米IBMが2016年に公開した「量子ゲート方式」の試作機。特定の問題に限らず、計算能力を飛躍的に高められる</span>
米IBMが2016年に公開した「量子ゲート方式」の試作機。特定の問題に限らず、計算能力を飛躍的に高められる

 「これから先は人間の想像を超えた世界だ。ITの常識が一変する」。量子コンピューターに詳しい東北大学の大関真之准教授は、興奮を隠さない。米IBMが11月、世界で初めて「50量子ビット」を搭載した量子コンピューターの試作機を発表したからだ。

 IBMが開発したのは、1983年から提唱されていた「量子ゲート方式」の量子コンピューターだ。大規模計算が可能になるため“本命”視されていたが、装置開発が難しく、2010年ごろまでは机上の空論と考える専門家がほとんどだった。ところがIBMの発表により、空論が現実に変わったのだ。

 カギは「50」という数字にある。

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