株のデイトレーダーに支持されてきた松井証券が、18年ぶりに投資信託の販売を再開する。短期売買で稼ぐ「肉食投資家」だけではなく、低コスト投信を長期保有する「草食投資家」の取り込みも図る。金融庁が推し進める“国策”にも合致する戦略だが、証券各社として収益力の低下は避けられない。

松井証券の松井道夫社長は、2016年の年頭挨拶で投資信託の販売再開を明言していた(写真=左:柚木 裕司)

 11月28日、ネット専業の松井証券が投資信託の販売を18年ぶりに再開した。扱う投信は全90本。日経平均株価などの指数と連動して運用するインデックス型投信のため、投資家が保有中に支払い続ける信託報酬(運用管理費用)は低い。いずれも「ノーロード」と呼ばれる販売時手数料がゼロの投信だ。一般的な証券会社で売れ筋の毎月分配型投信を販売する予定はない。

 ファンドアナリストの吉井崇裕氏は「低コスト投信をそろえ、積み立て投資を促す意思が感じられる」と指摘する。

 松井証券はこれまで、短期の株式売買を好むデイトレーダーの支持を集めてきた。言わば、「肉食投資家」を顧客としてきた。今回、長期保有に適した投信をそろえ、従来とは対照的な「草食投資家」の開拓に乗り出した。