旺盛なフラッシュメモリー需要がけん引し、東芝の業績が急回復している。中華スマホという“神風”と、データセンターの構造変化が背景にある。一方、子会社で新たな不正会計が発覚。東証による審査に影響するのは必至だ。

東芝の平田政善CFO(最高財務責任者)は「メモリー価格が想定ほど下がらなかった」と述べた(写真=右:陶山 勉)

 「中華スマホの台頭は、東芝にとって“神風”だ」。ある外資系アナリストは興奮気味にこう語る。

 東芝の業績が急回復している。11月11日に発表した2016年4~9月期の連結営業利益は967億円。前年同期の891億円の赤字から1800億円超も改善した。2017年3月期の営業利益予想は1800億円と、以前から600億円上方修正した。

 けん引役はNAND型フラッシュメモリーだ。「OPPO(オッポ)」ブランドを展開する広東欧珀移動通信や華為技術(ファーウェイ)など中国のスマートフォンメーカーが、メモリー搭載容量を増やしたことで需要が急拡大した。指標となる64ギガビット(ギガは10億)品の価格は10月に1個3ドルを超え、2年ぶりの高値となった。

 拍車を掛けたのが、8月に起きた韓国サムスン電子製スマホの発火事故だ。サムスンの失速をチャンスとみた中国勢が増産ペースを加速。東芝に対し「複数のメーカーが相当な発注」(平田政善CFO=最高財務責任者)をかけた。

 結果、「メモリ事業」の営業利益は501億円と全社の過半に達した。東芝は今期、メモリ事業の利益率が1桁台で推移するとみていたが、4~9月期は12%を超えている。