経営危機に陥ったパイオニアの再建に、再び暗雲が漂い始めている。スポンサーに内定していた香港のファンドとの交渉がこじれているからだ。想定より悪いパイオニアの経営実態にファンド側が尻込みしてしまったことが真相のようだ。

<span class="fontBold">森谷浩一社長は11月7日の決算説明会でベアリングとの正式契約時期に言及できなかった</span>(写真=共同通信)
森谷浩一社長は11月7日の決算説明会でベアリングとの正式契約時期に言及できなかった(写真=共同通信)

 10月26日、パイオニアは香港のファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアとのスポンサー契約交渉が10月末以降も続くと発表した。9月12日の基本合意文を見ると、両社は10月末に500億~600億円の第三者割当増資を中心とした契約を結ぶ予定だった。10月26日時点で月内合意が見通せないと判断したパイオニアが、信用不安につながらないように予防線を張る形で交渉継続を発表した格好だ。

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