プリウスが“日産規格”に対応

 日産の狙いは、国際標準を目指す日本発の急速充電規格「チャデモ」を米国でも普及させることだ。チャデモの対抗馬は、BMWなどの欧米勢が後押しする「コンボ」、米テスラモーターズが採用する規格など。当初はこれらの規格がシェア争いを展開していたが、欧州では複数の規格に対応した「マルチ」の充電設備が普及し始めている。

 米国のEV推進策でも「チャデモを含むマルチのスタンドになる見通し」(日産の川口均チーフサステナビリティオフィサー)で、米国市場でのEV拡販の追い風になりそうだ。

 エコカー戦略の修正が迫られそうなのがトヨタだ。同社が展開するHV(ハイブリッド車)とPHV(プラグインハイブリッド車)は「期限付き」のエコカーともいえるからだ。米カリフォルニア州の「ZEV(排ガスゼロ車)規制」では、2018年モデルからHVがZEVの対象から除外されることが決まっている。PHVも将来的に除外される可能性がある。

 トヨタがこの冬に発売する「新型プリウスPHV」では、充電スタンドの台数が多い日本向けのモデルでのみ、チャデモに対応することを明らかにしている。PHVはこれまで充電インフラが整うまでの重要な「つなぎ役」を果たすと見られてきた。トヨタがこれまでHVとPHVに注力してきたのも、充電インフラが不十分であったことが大きい。

 米国の新たな推進策により、トヨタは今後のシナリオを修正する可能性がある。充電インフラが想定より早く整えば、EV化で先行する欧米メーカーに市場を奪われないためにもHVやPHVからEVやFCV(燃料電池車)へ移行する時期を早めた方が得策だからだ。

 米国と並んでEVシフトのカギを握るのが、2030年までに60~65%のCO2削減を目指す中国だ。