オバマ政権が米国の48の主要高速道路にEVの充電設備を設置すると発表した。インフラが整えば、EVを米国市場で展開する日産自動車にとっては追い風になる。一方でトヨタ自動車は戦略の修正が求められる。EVへのつなぎ役だったPHVの存在意義が薄まるからだ。

オバマ政権のEV推進策はEVに強いメーカーに朗報(写真=AP/アフロ)

 「想定の範囲内で、むしろ歓迎している」

 日産自動車の西川廣人・共同CEO(最高経営責任者)は11月7日の決算会見で、トヨタ自動車が2020年までにEV(電気自動車)の量産体制を整えるとの報道についてこう発言した。「余裕」とも取れる発言の裏には、世界各国の急速なEVシフトがある。

 注目は米国の動向だ。11月3日、オバマ政権が任期終了を前に大規模な「EV推進策」を発表した。48の主要高速道路に充電設備を最大約80kmごとに設置するというものだ。35州をまたぐ延べ約4万kmの高速道路で充電インフラが整うことになる。

 米国は2025年までにCO2(二酸化炭素)排出量を26~28%削減する目標を掲げる。EV推進策は2020年以降の地球温暖化対策を決める「パリ協定」の発効を前提としたものだ。

 プロジェクトでは米運輸省が州や市、複数の民間企業と協力することが決まっている。米ゼネラル・モーターズ(GM)や米ゼネラル・エレクトリック(GE)、独BMWなどと並び、日産は唯一の日系企業として名を連ねる。