2009年ごろからブームを巻き起こしたファストファッションブランドがかつての勢いを失っている。海外メーカーが流行を取り入れた洋服を低価格で販売して人気を博したが、事業の縮小や撤退が相次ぐ。「メルカリ」による中古市場の活況や「ゾゾタウン」でライバルのブランドが次々に誕生していることが背景にある。

<span class="fontBold">長蛇の列ができていたが、今は閉鎖した「フォーエバー21」の店舗</span>(写真=Fujifotos/アフロ)
長蛇の列ができていたが、今は閉鎖した「フォーエバー21」の店舗(写真=Fujifotos/アフロ)

 40カ国以上に店舗を持つ英アパレルブランド「next」が今秋、日本国内の店舗で婦人服、紳士服の販売を休止する。今後は子供服に商品を絞る。日本ではスポーツ専門店のゼビオが1996年に業務提携をして手ごろな価格のカジュアル衣料が人気となった。一時は15店舗ほどに広げたが、現在は12店舗。「海外の衣料品をそのまま日本に持ち込み、販売するのは難しかった」(ゼビオ広報)という。

 nextだけではない。かつて一世を風靡したファストファッションと呼ぶブランドが岐路に立たされている。2009年に米西海岸から進出した「フォーエバー21」は最盛期に25店ほどを展開したが、9店舗が閉鎖した。17年には米ギャップの「オールドネイビー」が撤退している。流行を押さえた商品を低価格で提供する形態で消費者をとらえたが、勢いを失った。「ファストファッションがターゲットとする若い人が服にお金をかけなくなった」と小売業界に詳しいフロンティア・マネジメントの山手剛人シニア・アナリストは言う。

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