広報体制にも異変、留守電に

<b>月額980円で和書12万点以上が読み放題との触れ込みでサービスを始めたが…(8月時点の操作画面)</b>
月額980円で和書12万点以上が読み放題との触れ込みでサービスを始めたが…(8月時点の操作画面)
[画像のクリックで拡大表示]

 出版関係者の話を総合するとこうだ。国内出版のアンリミテッドへのさらなる参加を促すため、アマゾンは年内に限り、通常の使用料に上乗せする契約を結んでいた。しかし日本は海外とは違い、漫画や写真集などが人気で、消費スピードが速い。結果、出版社への支払いが膨大となり、やむなく人気コンテンツを削除していった。

 当のアマゾンは沈黙しているに等しい。「いくら利用規約に反していないとはいえ、『地球上で最もお客様を大切にする』という企業理念に反するのではないか」。そう記者が食い下がっても、広報担当者は「最高の電子書籍の品ぞろえをお客様に提供するために、継続して出版社や著者と取り組んでいる」「出版社との契約は個別事項なのでお答えできない」とのあらかじめ準備された定型のコメント文を繰り返すのみだ。

 こうした出版社との摩擦とは別に、公正取引委員会が独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで、アマゾンに立ち入り調査を始めたことが、8月上旬に分かった。取引先に対して、事業活動を拘束するなど不当な契約を求めたようだ。このあたりから広報体制にも異変が生じていた。8月中旬以降、アマゾンの広報に電話をかけると、留守番電話が応答するようになったのだ。

 メッセージを吹き込むと追って広報担当が折り返すというもの。折り返しがない場合もあり、メディア関係者の間では不信感が広がっていた。

 ある意味、「合理的」とも言える2つの異変。本誌は、これらをつなげる証言を現役のアマゾン社員から得た。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り878文字 / 全文文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。