ネット通販大手のアマゾンジャパン(東京都目黒区)に“異変”が起きている。電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)」で出版社とトラブルに。公正取引委員会の立ち入り検査のあたりから、広報体制も変わり、人材流出も進んでいる。

講談社の抗議文(左)には「読者に大きな不利益をもたらした」「大変困惑し、憤っている」などの強い表現が並ぶ。本社CEO(最高経営責任者)のジェフ・ベゾス氏(右)は強まる逆風にどう対応するのか(写真=右:Bloomberg/Getty Images)

 「出版社として大変困惑し、憤っております」。10月3日、大手出版の講談社がアマゾンジャパンに対し、異例とも言える抗議文を送り、公表した。矛先はアマゾンが8月3日に開始したサービス、キンドル・アンリミテッド。月額980円を支払うと、小説や漫画、雑誌など12万点以上と洋書120万点以上が読み放題になるという触れ込みで、最初の30日間は無料で利用できる。

 米国では2014年7月に開始しており、日本でもようやく出版社との交渉が進み、鳴り物入りで始まった。が、直後からユーザーや出版社への断りなく、読み放題の対象から漫画や写真集などが次々と消えていった。

 講談社は8月中旬から「コンテンツを戻してほしい」と交渉していたが、アマゾンは拒絶。それどころか、9月30日夜、通告なしで、講談社が提供していた1000超の作品全てを削除した。小学館、徳間書店、光文社といった多くの出版社も作品を除外されており、実際は、開始当初、14万点超あった読み放題対象の国内作品は、10月17日時点で約12万点まで減っているようだ。

 今や国内出版業界から総スカンを食らっているアマゾン。小学館も「読者に対して十全な対応ができず、著作者に不安を与えている」とアマゾン側に改善を求めているが17日時点で、状況は打開できていない。

 書籍販売で国内出版と蜜月だったはずのアマゾンだが、異変の裏に何が。

 「需要を読み違え、出版社に支払う著作権使用料が想定よりも大きく膨らんだことが騒動の要因だ」。国内出版大手の社員はこう打ち明ける。