アルミ・銅事業から鉄鋼事業へと広がりを見せる神戸製鋼所のデータ改ざん問題。対策費用は1000億円規模に膨らむとの見方も浮上、3期連続の最終赤字がちらつく。長期的な業績へのダメージは避けられず、金融市場では早くも業界再編や事業売却のシナリオが浮上し始めた。

<b>13日の会見で陳謝する川崎博也会長兼社長(中央)</b>
13日の会見で陳謝する川崎博也会長兼社長(中央)

 アルミ・銅事業で発覚した神戸製鋼所の品質データ改ざん問題は、主力の鉄鋼事業にも広がり、同社の“品質軽視”の企業文化を見せ付けた。当面の焦点は、神鋼が10月中をめどに公表するとしている出荷製品を対象にした安全性評価。結果次第では、部品交換やリコール(回収・無償修理)にかかる「実費」の負担を求められる。自社製品のブランドの毀損や機会損失といった幅広い損害の賠償を求められるリスクも否定できない。

 シティグループ証券の宗像陽アナリストは「一連の不正に絡む対応コストは、1000億円を超えるとの見方もある」と指摘する。中国での建設機械販売の代金未回収などの影響で、神鋼は2017年3月期まで2期連続の最終赤字。鉄鋼市況の回復を受けて18年3月期は350億円の最終黒字を見込んでいたが、JPモルガン証券の森和久アナリストは「3期連続の赤字は十分にある」とみる。

 もともと神鋼の資金余力は乏しい。成長事業のアルミ材への設備投資などの負担が重く、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフロー(純現金収支)は問題発覚前から3期連続の赤字を見込んでいた。対応コスト次第では、「成長投資を大幅に絞るか、数百億円単位の資産や事業の売却で費用を捻出する必要がある」(市場関係者)。

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