米大統領選では反グローバル化や反自由貿易が争点に浮上、猛烈な逆風が吹き付けている。民主党のクリントン候補、共和党のトランプ候補ともに反対を明言、TPPも風前のともしびだ。その風潮に対して、グローバル企業の象徴、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のCEOが口を開いた。

ゼネラル・エレクトリックCEO (最高経営責任者)
ジェフリー・イメルト氏
(Jeffrey Robert Immelt)
1982年のGE入社以降、2001年にジャック・ウェルチ氏の後継として会長兼CEOに就任。9・11テロや金融危機などの難局を乗り切った手腕への評価は高い。最近は製造業への回帰を掲げ、GEキャピタルの縮小や白物家電事業の売却を断行した。(写真=村田 和聡)

 米大統領選まで3週間を切った。今回の大統領選では、両候補ともにグローバリズムや自由貿易を手厳しく批判している。安倍政権の最重要戦略、TPP(環太平洋経済連携協定)も風前のともしびだ。グローバル化や貿易は生活水準の向上に寄与しているが、すっかりヒール(悪役)になった感がある。

 今の政治をどう見ているのか、世界の低成長に企業はどう立ち向かえばいいのか──。世界185カ国で事業を展開している米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフリー・イメルトCEO(最高経営責任者)が本誌だけに語った。

 問 今回の大統領選では、グローバル化や自由貿易に対して強い逆風が吹いています。

 答 まず感じるのは、そういった批判が世界中にあるということだ。米国だけでなく、欧州にも中国にもある。私が覚えている中でも、今ほどグローバル化や貿易に対する関心が奪われている時はない。ナンバーワンだ。

 その理由は理解できる。ごく普通の生活をしている人々は、グローバル化で日々の生活が改善しているのかどうか疑問視している。だが、反グローバル化を唱える米国人がトヨタ自動車の自動車に乗り、米ウォルマート・ストアーズで中国製品を買っている。非常に複雑なテーマだ。

 GEにとって、グローバル化は欠くことのできない酸素のようなもの。我々は、グローバル化を引き返すつもりも歩みを遅らせる気も毛頭ない。