リストラ疲れの現場と距離

 新体制にとって、3つ目の難題は、強烈な求心力を持っていた鈴木前会長が去った後、各事業会社、そして営業現場の士気をどう維持するかだ。複数の事業会社から「ホールディングスと、かみ合った議論ができず、決まった方針が下りてくるだけ」といった声が漏れる。そごう・西武では、9月の2店舗閉鎖に続き、来年2月の2店舗閉鎖が決まっている中で、さらに今回の3店舗譲渡が追い打ちをかける格好だ。

 350人の希望退職募集が9月末に締め切られたが、募集を上回る人数の申し込みがあった。「有能な人材が相次ぎ手を挙げた」(同社関係者)との声も上がり、現場の疲弊は深まりそうだ。

 そごう・西武は6日付で松本隆社長が退き、後任にセブンカルチャーネットワーク社長の林拓二氏が就いた。松本氏は鈴木前会長の次男で取締役の鈴木康弘氏とともに、オムニチャネル戦略の責任者を務めたことがあり、同戦略向けの商品開発にも力を注いできた。新体制が、オムニ戦略の全面的な見直しを表明したことと併せて、人事でも旧体制との決別を印象付けた。さらに店舗リストラが加速しそうな流れの中で、店舗の営業力を底上げする策が不可欠だ。持ち株会社と事業会社の円滑な連携が問われる。

(藤村 広平、大竹 剛)