大手百貨店の売上高が9月、前年比で大きく上向いた。関西を中心とした訪日客の回復や富裕層の高額消費という“干天の慈雨”に助けられた面が大きい。最大の問題である衣料品不振は続いており、苦境から脱する道筋はいまだ見えてこない。

<span class="fontBold">百貨店の免税手続き窓口では、多くの訪日客の姿を見ることができる</span>(写真=朝日新聞社)
百貨店の免税手続き窓口では、多くの訪日客の姿を見ることができる(写真=朝日新聞社)

 三越伊勢丹7.3%増、大丸松坂屋百貨店7.0%増、高島屋8.8%増、阪急阪神百貨店9.4%増、そごう・西武3.5%増──。大手百貨店5社の9月の売上高は、前年同月比で急激に回復する結果となった。各地で百貨店の閉店が相次ぎ、暗いムードに覆われていた業界には、一息つけると安堵の声が広がる。

低水準だった昨年9月比では回復したが……
●前年同月比の売上高増減率
低水準だった昨年9月比では回復したが……<br /> <span>●前年同月比の売上高増減率</span>
注:速報値、▲はマイナス

 しかし、それは本格的な回復とはほど遠いようだ。

 「インバウンド、富裕層は好調だが、ボリュームゾーンは相変わらず厳しい。底打ちしたとは言えない」。大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ.フロントリテイリングの山本良一社長は、10日の決算発表の席上でこう述べた。

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