森永製菓が1967年に発売したロングセラー商品「チョコフレーク」の生産を来年夏までに終了すると発表した。明治がスナック菓子「カール」の東日本での販売を昨年終了し、ロングセラー商品が相次いで姿を消す。消費者の嗜好の変化やIoTによる売り場作りなどで定番品に逆風が吹いており、好転する兆しはない。

<span class="fontBold">明治の「カール」や森永製菓の「チョコフレーク」など長寿商品の販売状況は厳しい</span>(写真=左:時事)
明治の「カール」や森永製菓の「チョコフレーク」など長寿商品の販売状況は厳しい(写真=左:時事)

 「思い出の味がまた1つ減った」「なくなったら困る」。チョコフレークの生産終了が9月末に発表されると、SNS(交流サイト)に悲しむ声があふれた。しかし食品メーカー幹部は嘆く。「販売を終えるときだけ思い出してもらうのは皮肉。定期的に買ってくれれば、こんなことにならない」

 飲料・食品業界は近年、「懐かしの味」からの撤退や事業縮小が相次ぐ。明治が昨年、東日本でカールの販売をやめたのは記憶に新しい。今年に入り、1987年発売の江崎グリコのガム「キスミント」や、96年からダイドードリンコが販売する「さらっとしぼったオレンジ」と、ロングセラーの終売が相次いで発表されている。

 森永製菓のチョコフレークは「5年前に比べて、最近は売上高が半減していた」(広報部)。かつて手掛けたイチゴ味といったフレーバー展開は既にやめている。売上高が伸びない中で、製造設備の老朽化が重なり、更新投資を回収できるめどが立たなくなった。

 カールやチョコフレークの不振は「食べるときに手が汚れるから」と分析された。べたつくお菓子はスマートフォン時代にそぐわないということらしい。だが、ロングセラー商品にはもっと深刻な問題が横たわっている。

 何よりも消費者の嗜好の変化が大きい。おやつカンパニーの高口裕之専務執行役員は「消費者の舌が昔に比べ肥えたので、昔懐かしのお菓子では満足できなくなってきている」と指摘する。

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